2016年03月16日

映画【オカルト】ネタバレレビュー / 白石くんと江野くんの友情物語。



敬語やめようよ〜。江野くんで来てよ〜。


唐突に劇中に登場する黒沢清監督。.jpg


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ネタバレなしのレビューはこちら↓
映画【オカルト】レビュー(ネタバレなし) / 邦画ホラーだって面白い。






思うんだけどさあ。
江野くんがいなきゃ成立してないわよね、この映画。


やっぱりこれはホラーというより「江野くんのドキュメンタリー」なのよ。


ほんと、それくらい緻密な江野くんというキャラクターの完成度。
すごく独特なんだけど「こんなやついるいる!」っていう既視感を覚える不思議なキャラ。


まずなにがすごいって、江野くんの社会不適合感の見せ方がすごい。
とにかく人との距離の詰め方が下手くそっていうかさ。




序盤、焼き肉屋での一幕。
おごりなのをいいことに暴飲暴食!!
酔った勢いでスタッフの女性に偉そうに説教!!(しかもマジお前が言うな的な内容)
そして「もう敬語やめようよぉ〜」と急に馴れ馴れしくなる一連の流れ。




一晩の会食でこれだけのコミュ障あるあるを発揮できる江野祥平に心底震える。
ていうかこんな人間をこれだけナチュラルに演じられる宇野祥平氏に震える。


これだけならただのウザい空気読めないおっさんなんだけど。
小動物のような愛嬌をエッセンスとしてほんのり追加してるとこが可愛い。


「今日はあんま調子乗ったらあかんからぁ、カップラーメンにしました」のとことかさ。
こんなどうでもいいシーンに不覚にもキュンとしちゃったわよあたし。


なんていうか、不器用なところを応援したくなる妙な魅力があるというか。
ダメンズ好きな女子とかたまらないんじゃない?こういう男。





ま、それはおいといて。
こういう諸々の前提があってこそ、後半の展開が活きてくるのよね。


その不器用さのせいで、まさに「ウンコみたいな人生」を送ってきた江野くん。
そんな自分が、人々を神の世界に導くリーダーとして選ばれた。


やっぱりその使命にしがみついてしまうのは納得できるわけよ。
たとえそれが自爆テロという反社会的な方法だとしてもね。


そして白石くんという信頼できる同志もできて、さらに燃え上がる使命感。


ミンミンとセミの声が響き渡る晴天の下、
買い物袋を抱えてよいしょよいしょと歩く彼らはまるで、
秘密基地に自由研究の材料を持ち帰る子どものように無邪気
に見えるわ。


で、やってることはできるだけ殺傷能力の高い爆薬の製造、というね。


ここらへんの映像の印象と実情とのギャップがとにかく狂気的で恐ろしい。
でも観ているコチラも、絶対ダメなことなのにどこかワクワクしてしまうような。
なんか、未知の感情を掻き立てられる不思議な感覚を味わったわ。


実際、現実に自爆テロを目論む連中ってこんな感じなのかしら。
自分たちのやることに間違いはない!と信じてるわけよね。


江野くんと白石くんみたいに、夢と希望とほんのちょっぴりの不安
まさに青春の1ページのような感覚なのかしら。


そう考えたらこれほど恐ろしいことってないわよね。





で、幸か不幸か、結局江野くんの儀式は遂行されてしまうのだけれど。


ちなみに、儀式遂行前にカラスがわさわさ集まってくるシーンはCGじゃなく
カラスの鳴き声や模型なんかで実際に呼び寄せたそうな・・・すげぇわ・・・。


江野くんが最終的に行き着いた先は神の世界などではなく『地獄』だった、というオチは
シンプルではあるけれど素直にゾッとさせられる良い終わらせ方だったと思うわ。


心の弱い人間を利用して人災を起こし、たくさんの人間を地獄に引き込むのが
江野くんが神と思い込んでいた化け物の目的だった、ということでいいのよね?


自爆テロなんて考える輩はロクな世界に行けねーぞっていうテーマはわかりやすくて好き。





ここでの地獄の映像表現が安っぽいと否定的な人も多いみたい。
でもあたしは全く逆で、このチープな映像がすごく正解だったと思うのね。


二次元的に描かれた奥行きの無い空間が、まさに時空を超えた異世界という感じ
あたしの恐怖心をビンビン刺激してくれたのよね。


江野くん、あんなに純粋に神のもとに行けるって信じてたのにねぇ・・・。
自業自得とはいえ、ちょっと感情移入しちゃってたから少し可哀想・・・。
合掌・・・。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









で、終わりかと思いきや、これには続編というかスピンオフというか後日談というか、
とにかくこの話に続く作品があるのよね。


それについても語りたいところなんだけど・・・。
作品名をここで言っちゃうとネタバレになっちゃうし・・・。


白石晃士監督作品を片っ端から観てたら出会えるからとにかく観てみてほしいわ〜!!


何の先入観もなしに観て「あれ?これってオカルトから続いてるんじゃ・・・?」
と気づいたときの感動を味わってほしいの〜〜〜!!!


その作品も後々レビューしていくわね。


しばらく邦画ホラーの紹介は白石晃士作品が続くカモ・・・。




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posted by ゆずぽち at 23:03 | Comment(0) | 映画【ア行】レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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